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熱可塑性ポリウレタン樹脂「ミラクトラン®」(以下ミラクトランと呼ぶ)の加工は、一般的な熱可塑性樹脂の成形方法が適用できます。射出成形、押出成形、カレンダー成形、ブロー成形、インフレーション成形等で加工が行われています。

成形加工方法[PDF:289KB]

[1] ミラクトランの取扱い

ミラクトランの貯蔵にあたっては、湿度の低い倉庫が望ましく、高温多湿の場所、あるいは直射日光の下に放置することは品質劣化の要因となるので避けてください。吸湿したミラクトランをそのまま成形すると、発泡、フラッシュ等の不具合が生じます。また外観上の異常がなくても物性を劣化させることがあります。吸湿しないよう包装には十分配慮していますが、成形にあたっては予備乾燥をしてください。特にスプール・ランナーや成形不良品等を粉砕し、再使用する場合は乾燥に注意することが肝要です。予備乾燥には、熱風式乾燥機が適しています。

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[2] 射出成形

  1. 成形機
    ミラクトランの成形には、一般に用いられているスクリュー式の成形機をご使用ください。プランジャー式のものは好ましくありません。成形品の容量は、使用する成形機の容量に対して70%以下に止めるようにしてください。
  2. 金型
    金型設計にあたっては、耐久性、経済性、加工精度等を考慮することは当然ですが、ミラクトランは一般の汎用樹脂に比べてバリが出やすいので、精度の高い金型が必要です。また弾性体ですので、突出しピンの断面積はなるべく大きくしてください(特に低硬度品の場合)。さらにミラクトランはガス抜きが問題になりやすく、ガス抜きが不十分だと焼けや気泡混入などの不具合を生じることがあります。成形品に影響を与えない個所に深さ0.05o位の溝を切っておくことが効果的です。

    スプール・ランナー・ゲート
    ミラクトランの成形においてスプール・ランナーは特別な配慮はいりませんが、スプールは太目とし、傾斜を大きめにしておくと離型が容易です。またゲートはできるだけ大きく取ってください。ピンポイントゲートは好ましくないので避けてください。

    金型温度
    金型温度は通常30〜40℃に保つよう、金型は水冷その他適当な方法で冷却してください。金型温度が高すぎると離型が悪くなり、低すぎると表面状態に悪影響を与えることがあります。

  1. 成形条件
    ミラクトランは一般の熱可塑性樹脂に比べて溶融粘度が高く、またその温度依存性が高いので、成形温度の設定は重要な要素です。成形温度は使用される機械により異なります。詳細な加工条件につきましては、お問い合わせください。
  2. 離型
    ミラクトランの低硬度品は離型に難がありますが、シリコン系の離型剤を6〜7ショットに一度位の割合で金型に塗布すれば、ある程度離型を容易にすることができます。なお離型剤を塗布した後は、ウエスで軽く金型の表面を拭いてください。そのまま成形すると成形品にくもりや変形を生じることがあります。
  3. 成形品の収縮
    一般的に収縮率は、材質、製品形状、成形条件、金型構造などの影響を大きく受けます。従って金型設計にあたっては、既存の金型をもとに類似の寸法、形状のものを選び、データを取ってから設計するか、試作金型を作って修正を繰り返し、本金型にもっていくかの手段が原則となります。
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[3] 押出成形

ミラクトランの押出成形には、ペレット形状のものをご使用になることをお勧めします。

  1. 成形機
    ミラクトランの成形にはシリンダー温度のコントロールが適切で、温度区分帯3ゾーン以上あることが最適です。また練り効果を上げるため、一般的にスクリーンを使用します。スクリーンとしては60-80-100メッシュの組合せが標準です。ミラクトランは溶融粘度が高く、またスクリーンを使用する関係もあって、押出機のモーター容量は十分余裕のある大きなものを使用することが肝要です。スクリューの構造としては、トランジション部の急勾配は押出量を減らし樹脂に必要以上のせん断力を与えることになりますので避けてください。またメタリング部の溝が深すぎると押出ムラ、サージング等が生じます。ご注意ください。
  2. 成形条件
    ミラクトランは溶融粘度が高く、かつその温度依存性が大きいので、加工温度の選定は重要な要素です。安定した押出作業をするためには温度管理が重要です。特に高温(220℃以上)に長時間滞留させると、分解等によって物性の劣化や製品の外観などに悪影響を与えます。詳しい加工条件につきましては、お問い合わせください。
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[4] 後加熱処理

ミラクトラン成形品を後加熱処理(アフターキュアー)することにより、寸法安定性、圧縮永久歪、耐摩耗性等の物性が改善されます。標準的な処理条件としては下記の通りですが、低硬度品の場合は成形品の置き方に注意(水平な所へ置く)し、あるいは適当な冶具を使用して変形しないように注意してください。

硬度85A以下 80℃×16時間

硬度90A以上 105℃×16時間

なお後加熱処理により若干の収縮がありますので、予め寸法への配慮が必要です。

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[5] 再生利用

ミラクトランは熱可塑性樹脂なので加硫ゴムとは異なり、成形不良品、スプール、ランナー等を粉砕して再加工することが出来ます。

ただし、この場合には以下の内容にご注意ください。

  • 粉砕した再生品はとかく付着水分が多くなりがちですので、必ず予備乾燥をしてお使いください。
  • 一般に新しい樹脂に再生品を混入使用する場合、再生品の混入率は20〜30%程度が安全です。
  • 何回も繰り返して再生利用すると、その間の熱履歴によって次第に着色その他物性の劣化をおこすことがありますので、ご注意ください。
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[6] 成形機の洗浄

成形機の汚れは成形不良の原因となりますので、作業にあたっては成形機内部を十分きれいにする必要があります。ミラクトランを成形した後の洗浄には、PP、HDPE、アクリル系樹脂によるパージが適しています。

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