TPUとは?

TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)は、ゴムのようにしなやかな弾力性と硬質プラスチックのような強さを合わせ持った素材です。
TPUは加工や着色が容易で、優れた特性を持つため、さまざまな産業・分野の製品に使用されています。

下の図は、ゴム、プラスチックの一般的な硬さの範囲を記載しています。
TPE(熱可塑性エラストマー)は、ゴム硬度の領域とプラスチック硬度の領域の中間に位置し、特にTPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)はその硬さの範囲が広いのが特徴です。

TPUとは

TPUの特徴

TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)の特徴として、次のような項目が挙げられます。

素材として

  • ・硬さの種類が豊富(ゴム硬度~プラスチック硬度)。
  • ・引張強さ、引裂強さ等の機械的強度が高く優れています 。
  • ・他樹脂とのポリマーブレンドが容易です。
  • ・各種添加剤や充填剤の混合が可能です。
  • ・顔料や色マスターバッチでの着色が可能です。
  • ・耐油性、耐薬品性が良好です。
  • ・傷がつきにくく、耐摩耗性に優れています。
  • ・ゴム弾性、柔軟性に優れています。
  • ・圧縮永久歪みが小さく優れています。

成形加工において

  • ・射出成形、押出成形、カレンダー成形などで加工が可能です。
  • ・加硫、硬化反応工程が必要なく、生産性が良い。
  • ・再生加工(リサイクル)が可能です。

用途において

  • ・食品関連部材に使用可能です。
  • ・人が触れる用途に使用可能です。
  • ・工業部品に使用可能です。

各種エラストマーとの特性比較

TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)の特性について、各種エラストマーと比較した表になります。
TPUの硬さは60Aから75Dの範囲で、ゴムのように柔らかいタイプから、プラスチックのように硬いタイプまで製造可能です。
TPUの引張強さは、他のエラストマーと比べて高いことが特徴となっています。
その他、TPUの優れた特性としては、耐摩耗性、耐屈曲性、耐油性などがあります。
また、一般的にウレタンは加水分解すると言われていますが、耐水性に優れるTPUもございます。

特性比較表
◎優れる、○良い、△劣る、×悪い
基本特性 ウレタン系 オレフィン系 スチレン系 塩ビ系 ポリエステル系 ポリアミド系
硬さ 60A 〜 75D 60A 〜 50D 40A 〜 98A 60A 〜 80A 80A 〜 70D 80A 〜 70D
引張強さ(MPa) 30 〜 50 3 〜 20 10 〜 35 10 〜 20 25 〜 40 10 〜 35
伸び(%) 300 〜 800 200 〜 600 500 〜 1200 400 〜 500 350 〜 450 200 〜 400
反発弾性(%) 30 〜 70 40 〜 60 45 〜 75 30 〜 70 60 〜 70 60 〜 70
圧縮永久歪み ○ × × △ △ ○
耐摩擦性 ◎ × × △ △○ ×○
耐屈曲性 ◎ △ ○ ○ ◎ ◎
耐熱性(℃) < 100 < 120 < 60 < 100 < 140 < 100
耐油性 ◎ △ × ×○ ◎ ◎
耐水性 △◎ ○ ○ ○ ×△ △
耐候性 △○ ○ ×△ △○ △ ○
脆化温度(℃) < -70 < -70 < -70 -30 〜 -50 < -70 < -70
比重 1.10 〜 1.23 0.88 〜 0.94 0.89 〜 0.95 1.22 〜 1.40 1.15 〜 1.25 0.94 〜 1.01

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